2026.01.05
✅ご相談のきっかけ:屋根の色褪せと太陽光パネルの撤去 今回のご依頼は、小郡市近郊にお住まいの2階建て住宅のオーナー様からでした。「屋根の白い色褪せが目立ってきたこと」と「設置から年数が経った太陽光パネルを処分したい」という2つのお悩みです。 実は、太陽光パネルの撤去と屋根のメンテ…

こんにちは!
街の屋根やさん筑紫野店です。
今回ご紹介するのは、築25年が経過した木造2階建て住宅の施工事例です。
屋根材には、日本の戸建て住宅で最も普及している「スレート屋根(カラーベスト・コロニアル)」が使用されていました。
施主様から寄せられたご相談は、非常に切実なものでした。
「3年前に別の業者で屋根塗装を終えたばかりなのに、屋根の色がまだらに変色し、表面が剥がれてきている。前回の業者は『経年劣化だ』と言うが、納得がいかない」
という内容です。
本来、屋根塗装は10年程度の耐久性を期待して行うメンテナンスです。
わずか3年で美観が損なわれるのは異常事態と言わざるを得ません。
私たちは原因を究明するため、ドローンによる上空視察と、職人による直接の屋根診断を実施しました。





調査の結果、判明した早期劣化の根本原因は、前回の塗装工事における「縁切り(えんぎり)」の未実施でした。
これはスレート屋根のメンテナンスにおいて、最も基本的かつ重要な工程です。
スレート屋根を塗装すると、屋根材同士の重なり目が塗料でくっついて完全に塞がってしまうことがあります。
この塞がった部分を専用の工具や「タスペーサー」という部材を使って切り離し、数ミリの隙間(水の逃げ道)を確保する作業を「縁切り」と呼びます。
縁切りが行われず、屋根材の隙間が塗料で密閉されると、「毛細管現象(もうさいかんげんしょう)」が発生します。
これは、狭い隙間に液体が吸い上げられる物理現象のことで、これにより雨水が重なり目から屋根の裏側へと逆流してしまいます。
逆流した雨水は、本来なら隙間から排出されるはずですが、出口が塞がれているため屋根の内部に滞留し続けます。
【縁切り不足がもたらす「毛細管現象」の恐怖】
野地板(のじいた)の腐食: 屋根の土台となる合板が常に湿った状態になり、腐り始めます。
塗膜の膨れと剥離: 屋根材の裏側から湿気が押し寄せるため、せっかく塗った表面の塗料が内側から押し上げられ、ボロボロと剥がれ落ちます。
雨漏りの誘発: 滞留した水は、屋根材を固定している釘穴を伝って室内へと浸入します。
内部の湿気ダメージが深刻であったため、再塗装では解決できないと判断し、「屋根カバー工法(重ね葺き工事)」を提案・実施しました。
屋根カバー工法とは、既存の屋根を撤去せずに上から新しい屋根を重ねる工法です。
✅屋根カバー工法に関する解説はこちら↓
・屋根カバー工法のメリットとは?費用相場や適した屋根材を厳選してご紹介!
【メリット】
コストの最適化: 古いスレート材を撤去・処分する費用(特に古いスレートにはアスベストが含まれる場合があり、処分費が高額になります)がかかりません。
工期の短縮: 既存の屋根を残したまま作業するため、日常生活への影響が最小限で済みます。
性能の向上: 屋根が二重構造になることで、断熱性能(夏の暑さ対策)と遮音性能(雨音の軽減)が向上します。
【オークリッジスーパーの優れた性能】
超軽量: 重さは和瓦の約4分の1、スレートの約3分の2と非常に軽く、建物への負担を抑え、耐震性を高めます。
高い防水・耐風性: 素材自体に防水性があり、さらに強力な接着剤(セルフシーラント)と釘止めを併用することで、強風にも耐えうる構造を持ちます。
長期製品保証: ライフタイム保証(制限付長期保証)がついており、長期間にわたって安心を提供します。
屋根カバー工事の着工にあたり、まずは既存屋根材(カラーベスト)の高圧洗浄を実施します。
本工程の目的は、単なる清掃ではなく「下地調整」にあります。
屋根表面に堆積した堆積物や劣化した塗膜の粉(チョーキング)、カビなどを強力な水圧で除去します。
汚れを完全に排除することで、この後に敷設する防水シート(ルーフィング)の密着性を高め、屋根材の隙間に異物が挟まることによる不陸(ふりく:凹凸)を防ぎます。
近隣への水飛散に細心の注意を払い、飛散防止ネットを適切に運用しながら、屋根の隅々まで丁寧に洗い上げていきます。
カバー工法において防水の要となるルーフィング施工。
本現場では、改質アスファルトを使用した「片面粘着式防水シート」を導入しました。
既存の屋根材(スレート)に直接密着させるため、強風時におけるシートのバタつきや破れを完全に防ぎます。
また、重ね代(シート同士の重なり部分)も粘着層で強固に一体化されるため、緩勾配(なだらかな屋根)や吹き込みに対しても非常に強い防水ラインを形成します。
屋根材を固定するビスを打ち込んだ際も、粘着層がビスに絡みつき、漏水経路を遮断する効果があります。
以前の「縁切り不足」による湿気ダメージを繰り返さないよう、湿気を通しにくく、かつ外部からの浸水を一切許さない強固な多層構造を作り上げました。
現場に搬入されたのは、米国オーウェンスコーニング社製の高耐久屋根材「オークリッジスーパー」です。
この屋根材は、芯材のガラス繊維マットに高濃度のアスファルトを含浸させた、非常に防水性の高い素材です。
荷揚げ(にあげ:屋根上への搬入)の際は、屋根の荷重バランスを考慮して均等に配置し、施工前の準備を整えます。
表面の彩色石は、ただ美しいだけでなく、紫外線をカットして屋根材を保護する役割も持っています。
30年、40年と家を守り続けるための「強さ」と「美しさ」を両立したこの素材が、以前の雨漏り不安を完全に解消してくれます。
屋根の最下部から頂上に向かって、新しい屋根材「オークリッジスーパー」を丁寧に張り進めています。
写真をご覧ください。独特のグラデーションを持つ天然石のチップが、光の加減で美しい陰影を生み出しているのがわかります。
この「オニキスブラック」は、どんなお住まいにもマッチする上品な色調で、施工が進むにつれてお家の表情がみるみる変わっていきます。
柔軟な素材だからこそ、屋根の形状にピタッとフィット。
見た目の美しさはもちろんのこと、職人が1枚ずつ「セルフシーラント(専用接着剤)」と釘打ちを併用して固定していくことで、台風にも負けない強靭な屋根が作られていきます。
屋根の最上部、いわば「お家の帽子」の先端を仕上げるための重要部材が搬入されました!
写真にある黒い板状のものは、新しく取り付ける「棟板金(むねばんきん)」。
そして、その土台となるのが「貫板(ぬきいた)」です。
屋根と外壁がぶつかるこの部分は、実は一番雨漏りが起きやすい場所なんです。
ここを隙間なく処理することを、専門用語で「雨仕舞(あまじまい)」と呼びます。
写真をご覧ください。
壁の形に合わせて板金をミリ単位で加工し、ぴったりと沿わせています。
さらにその上から、防水性の高いシーリング(防水材)を充填して二重三重にガード!
「ただ屋根を張る」だけでなく、こうした細かい部分をどれだけ丁寧に作り込むかで、家の寿命は決まります。
見えなくなる場所だからこそ、職人は絶対に手を抜きません!
今回の工事を経て、施主様からは「雨音が静かになり、何より雨漏りの不安から解放された」と大変喜んでいただけました。
スレート屋根のメンテナンスにおいて、「ただ塗るだけ」の塗装は、時に家を壊す原因になります。
特に「縁切り」のような、目に見えなくなる工程にこそ、屋根業者の誠実さと技術力が現れます。
屋根は、家族を守る最大の傘です。
もし、前回の塗装から数年で異変を感じたり、雨漏りのサインを見つけたりした場合は、手遅れになる前に、構造を熟知したプロに相談することが大切です。

街の屋根やさんご紹介
街の屋根やさん筑紫野店の実績・ブログ
会社情報
屋根工事メニュー・料金について
屋根工事・屋根リフォームに関する知識
Copyright © 2016-2026 街の屋根やさん All Rights Reserved.